朝7時過ぎ、川島寿美子さん(上ノ国健康友の会事務局長)の自宅に友の会員のAさん(70代・女性)から電話がありました。「体がだるくて、めまいもするんです」「前にも似たようなことがあったんだけど、我慢していたらどんどんつらくなって」。Aさんは一人暮らし。
川島さんは、「今日、江差診療所に行くから乗せていくかい?」と応対し、Aさんを自分の車に乗せて受診の援助をしました。
Aさんは、川島さんに付き添われ看護師の問診を受けました。「医師の診察に入り、咳もあり、つらそうでした。道立病院でCT検査を受けることになり、川島さんが付き添ってくれました。検査の結果、肺炎の診断を受け、1週間程度抗生剤の点滴指示がでました」と布施師長が当時の状況を語ります。この間、Aさんの家族と友の会が協力して通院の援助を行いました。
「診療所の職員が休診の日も含め、対応してくれて助かりました」「川島さんは、私のことを気にかけてくれてありがたい」とAさん。
この間、川島さんは、地域訪問を積極的に行ってきました。
「みんな困っていても、家族に気兼ねして、我慢していることが多いんです」「一人暮らし等で気になる会員には、自分の連絡先を知らせています」「川島さんだからできるんでしょう、とかいわれることが多いけど、それは違うと思うんです」「地域には、困っている人たちがいっぱいいますから」と川島さん。コロナ禍にあって、ますます地域で困っている人たちは増えています。困った時は、気軽に相談できる友の会でありたいと考えています。
江差診療所の堀岡事務長は語ります。
「診療所のある江差町は江差追分が有名な歴史ある町です。江差友の会は、人口比30%の会員数を維持しています。友の会は診療所にとって心強い存在です。コロナ禍にあっても、患者数の減少がくい止められているのは、診療所と友の会との日常的な関係が築かれてきたことが、一因としてあると思います。引き続き、友の会と連携しながら、地域の要求にこたえていきたいと思います」
函館稜北病院 総合診療科 医師 林 誠也
現在世界中で新型コロナウイルスが蔓延しています。この病気の特徴として風邪と見分けがつかず発見が遅れてしまい、知らぬ間に人に感染させてしまう非常に厄介な病気です。ではなぜ新型コロナウイルスと風邪の症状が似ているかというと、どちらも同じ「ウイルス感染症」であることが理由となります。
風邪は基本的にはのどや鼻からウイルスが感染し炎症を起こす病気のことを指しています。症状の特徴としては「せき、鼻水、のどの痛み」がすべて生じていることが多いです。インフルエンザも同じウイルスですが、風邪のウイルスよりさらに感染する力や症状が強いことが特徴です。
風邪に限らずウイルス感染症のほとんどは特別な治療法がありません。確かにインフルエンザには薬がありますが、むしろ治療薬のあるウイルス感染症の方が少ないです。現に新型コロナウイルスの特効薬がいまだに開発されていないのも、ウイルスに効果がある薬を作るのが難しいことを表しています。よく「かぜ薬ください」と言われますが、あくまで風邪に出している薬は熱やせきなどの症状を和らげているだけであり、あえて治療といえば「体を暖かくしてしっかり休むこと」に尽きます。ウイルスは基本的に自分の免疫で倒すことができるので、免疫を高めることが一番大事になります。
抗生剤はウイルスではなく「細菌」に対して効果があります。代表的な細菌感染症としては「肺炎」がイメージしやすいと思います。もちろん新型コロナウイルスのようにウイルスでも肺炎を起こすこともありますが、肺炎を起こすバイ菌の多くは細菌になります。風邪と肺炎の違いは、肺炎の方が咳や痰が多く、体もぐったりして食欲もでないことが多いです。また肺炎の場合鼻水やのどの痛みは、みられないことが多いです。医師は患者さんの状態をみて風邪と肺炎をきちんと見分けていますので、心配な場合はまず病院にご相談ください。
(今回は理学療法士の瀬戸優さんが紹介する手軽にできるお料理です。)
(1人分 192kcal)