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道南勤医協だより 440号

トピックス

新型コロナ感染予防の中で迎える冬、灯油代の負担が心配です

10月から友の会活動拡大強化をめざす「まちづくり月間」がはじまりました。
患者さん、友の会員との対話の中で、これから迎える冬を前に灯油代(暖房費)についての不安を訴える方が増えています。

Aさん(女性・67歳)

 生活保護を受給して暮らしているAさんは一人暮らし。冬の灯油代に1カ月あたり2万円程度かかりますが、生活保護の暖房費にあたる冬季加算は1万2千円程度しか支給されません。ただでさえ苦しい生活の中、冬期間は電気代の支払いが遅れてしまうこともあるそうです。
 左大腿部の骨折があり屋内歩行もままならず。両方の肘の手術もしていて、握力の低下があり物を持つことも困難になっています。ヘルパーが週3回来て食事のおかずをまとめて作ってくれていますが、これ以上食費を削るのは難しいと。「せめて灯油代の負担が軽くなれば」と、切実な思いを語りました。

Sさん(女性・78歳)

 Sさんは夫と二人暮らし。夫は約30年前に脳梗塞を発症し、現在も右半身麻痺と言語障害があり、Sさんが自宅で介護をしています。介護保険サービスの利用は週1回のデイサービスのみです。「年金は増えるどころか減る一方、なのに物価は高くなるばかり」「灯油代は1カ月に1万7千円以上かかる。毎月のやりくりが大変で、冬期間は夜9時前には暖房を消し布団に入ります」。最近は股関節の痛みも強くなり、自身の健康不安も抱えながら、本格的な冬を前に経済的負担が重くのしかかります。

福祉灯油制度の実施が求められる

 道内の自治体の中には、低所得世帯や心身障害者のいる世帯や高齢者の世帯、母子世帯などを対象に灯油代を助成する福祉灯油制度を実施しています。2018年度には道内の8割の自治体が実施。道南地域でも函館市を除く多くの自治体で実施されています。

 

健康あらかると

骨密度測定について

函館稜北病院 放射線技師 川村 寿弘

函館稜北病院 放射線技師 川村 寿弘



(1) 骨粗鬆症とは?

 骨の密度が減少する事により、骨が空洞化する症状をいいます。背中が曲がる骨の変形、骨の痛み、さらには骨折しやすくなります。病気になる原因は、運動不足・食生活・加齢・喫煙・閉経などが考えられます。
 骨折は一般的に強い外力が加わった場合起こりますが、骨粗鬆症になると、日常生活程度の負荷により骨折を引き起こします。骨折による痛みや障害はもちろんですし、ふとももの骨や股関節の骨折は高齢者を寝たきり状態にさせる場合があります。
 この病気を予防するには骨の丈夫さを測定する必要があります。その検査が骨密度測定です。

(2) 検査内容

 ベッドに寝て、腰と股関節の2ヶ所の骨を計測します。検査時間は5分程です。

(3) 計測結果

 測定した腰、股関節のどちらか低い方の値を測定値とします。その測定値が骨粗鬆症の基準値に達しているか判断します。達していない場合は「要指導」「要精査」になります。指導の場合は予防を考慮して注意していきます。精査の場合は治療や定期的な検査を検討します。
 若い人、同年代の二通りの平均値と比較したグラフを作成します。若い人や同年代と比較して測定値が高めか低めか判断します。また、過去に検査している場合は、過去よりも良くなっているか悪くなっているか比較します。

(4) 予防法

 予防法は3つあります。カルシウムの ①摂取 ②吸収 ③定着 です。

①カルシウムの摂取。小魚・牛乳・チーズ・豆腐(大豆)などの食品です。

②カルシウムの吸収促進のためビタミンDやクエン酸を摂取します。ビタミンDの摂取には魚・レバー・バター・干し椎茸・白きくらげなどです。また日光浴も効果あります。クエン酸の摂取は酢・レモン・オレンジ・梅干などです。
※ちなみにナトリウム・食物繊維はカルシウムの排泄増加・吸収妨害になります。

③カルシウムの定着。適度な運動をする事で骨に負荷をかけます。
※毎日45分のウォーキングが目安です。

 

料理教室 お料理レシピ

(82)もちもち食感の「ひっつみ」

(今回は管理栄養士の米山奈槻さんが紹介する手軽に作れる岩手県の郷土料理「ひっつみ」です。)
(1人分 280kcal)

もちもち食感の「ひっつみ」
材料 4人分
鶏もも肉
200g
ごぼう
80g
人参
1/2本
長ネギ
1本
干し椎茸
4~5枚
だし汁+椎茸のもどし汁
600cc

〈ひっつみの生地〉
小麦粉
150g
ぬるま湯
75cc

〈A〉
50cc
醤油
60cc
少々
ほんだし
少々

作り方

  1. (1) ボウルに小麦粉を入れ、ぬるま湯を加えて練る。耳たぶくらいのかたさになってまとまったら、打ち粉をした台に移して滑らかになるまでこねる。ラップをかけて30分(夏期)~2時間(冬期)休ませる。
  2. (2) 鶏肉は一口大に切り、ごぼうはささがきにして水にさらす。人参は半月切りにし、長ネギは斜めに切る。干し椎茸は戻して細切りにし、戻し汁はだし汁と合わせておく。
  3. (3) 鍋に (2) のだし汁を入れ沸かし、長ネギ以外の (2) を入れて火を通し、Aで調味する。
  4. (4) 別の鍋に湯を沸かし、手に水をつけて①を薄く引きちぎって落とす。1分ほど茹でたら氷水に取り、水気をきる。
  5. (5) (3) に長ネギと (4) を加えてひと煮立ちさせる。
  • 岩手県の郷土料理の具沢山汁です。小麦粉の生地を引っ張ってちぎることから「ひっつみ」と呼ばれています。
  • ひっつみの生地に胡麻やカレー粉、七味唐辛子など練り込んでアレンジもできます。
  • 汁に入れるだけではなくゆでたひっつみにきな粉をまぶして、スイーツとしても召し上がれます。

道南勤医協だより

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