函館稜北病院 副院長 総合診療科科長 川口 篤也
新型コロナウイルス感染症で穏やかな心持ちで過ごすことがなかなか難しい毎日ですね。そんな中ではありますが、基本に立ち返って予防策と注意点について書いてみたいと思います。
最も大事なのはマスクではなく手指消毒や手洗いです。感染者から直接咳などの飛沫を浴びることは少ないので(医療従事者は別ですが)、ほとんどの感染はウイルスの付いた手で、口や鼻、目などの粘膜を触ることで起こる接触感染です。手にウイルスが付いただけではウイルスは体に侵入できませんので、それを粘膜に付着させないようにするのが肝心です。基本、手は汚れているものとして口や鼻を触らないことが最も重要です。手指消毒や手洗いのタイミングとして、自分の口や鼻を触る前や、人に触る前後です。マスクをしている人が、マスクを手で触ってから手指消毒せずに鼻を触ったり、食べ物を食べているのをよく見かけますが、そのマスクにウイルスが付いていたらその行為で感染が成立してしまいます。インフルエンザでマスク装着の有無によって予防効果に差が無いというデータがありますが、これはマスクをしていても鼻が出ていたり、上記のようにマスクをずらしたり外したときに手から感染しているからと推測します。現在アルコールベースの手指消毒剤は不足していますが、石鹸による20秒以上の手洗いでも同等の効果と言われています。
少しでも風邪症状がある場合には休むのが大事です。新型コロナウイルス感染症の初期には通常の風邪と区別がつきません。自分が他の人に伝染さないようにしっかり休み、どうしても人と接する場合には伝染さないためのマスク装着をきちんとするのが肝要です。今回のことをきっかけに、風邪薬のテレビCMで「休めないあなたのために」など風邪症状があっても無理してがんばる世の中から、症状があったら休める世の中に変わるチャンスです。またテレビのワイドショーは連日恐怖をあおり、デマも一部流していますので、見ない方が精神衛生上良いと思います。過度に不安にならず自分でできる感染予防策を行い、明けない夜はないと思いながら粛々と過ごせたらと自分にも言い聞かせています。
函館稜北病院 放射線科 川村 寿弘
前立腺は男性だけが持つ臓器です。栗の実ほどの大きさで重さは数グラムほどのものです。精液の構成成分となる前立腺液の分泌がおもな働きで、尿の排泄などの役割も担っています。
加齢に伴い前立腺が大きくなってしまうのが前立腺肥大症です。50歳代以降の男性には珍しくない良性の疾患で、現在では50歳以上の男性の2割以上がかかっているといわれています。肥大化することにより尿道や膀胱が圧迫され様々な排尿障害がでてくる病気です。
原因については、現在のところはっきりしたことは分かっていませんが、加齢と伴に男性ホルモンの分泌が減り男性ホルモンと女性ホルモンのバランスが崩れる事がおもな原因と考えられています。
当院では腹部CTを行った際、前立腺が肥大している可能性がある場合に前立腺の体積を計測しています。
CT画像上の前立腺の縦・横・高さを測り特別な計算式で体積を求めます。この値が一定の数値以上の場合は、目安として肥大と判断しています。
当院で腹部CTを行い、前立腺の病気が気になる場合は、お金のかからないオプションなので、ぜひ医師にご相談下さい。
(鍛治友の会の「お料理教室」でつくったレシピです)
(1人分 435kcal)