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道南勤医協だより 431号

トピックス

冬の高齢者世帯、生活困難浮きぼりに
~冬季高齢者生活実態調査を実施~

 年金・生活保護、医療や介護などの制度改悪がすすむ中、貧困が高齢者のいのちとくらしを直撃しています。北海道民医連では、一人暮らし・老老世帯の冬の生活実態を明らかにし、命を守るための諸制度の改善を求め、2008年以来、毎年高齢者の生活実態調査に取り組んでいます。函館市内で生活している高齢者(患者・友の会員)の方にお話をうかがいました。

田中恵子さん(仮名・75歳)

 田中さんは、函館市内の市営住宅に一人暮らし。収入は本人の年金と遺族年金、合わせて一か月あたり約8万5千円。一昨年、息子さんと弟さんを亡くされ、葬儀費用で蓄えがなくなりました。病院には月に1回、歩いて通院しています。
 「灯油代は月に5千~6千円程度かかります。費用を抑えるため、朝6時の起床とともにストーブをつけ、夕方5時半には、布団を敷いてストーブを消し、布団の中で過ごすようにしています」「ストーブを消すと吐く息が白くなることもあります。お風呂は、浴室のドアを開けて浴室を温かくし、シャワー浴だけしています。今年は雪が少なくて助かっています」
 「近所づきあいはほとんどしていません。毎月ギリギリの生活です。節約するにも、あとは食費を削ることくらいしかできない」
 楽しみは、「お気に入りの男性歌手の音楽を聴くこと」と、最後に笑顔で話してくれました。

山田良子さん(仮名・83歳)

 山田さんは、函館市内の市営住宅に一人暮らし。生活保護を受給。要支援2の認定を受け、デイサービスを週2回利用。ヘルパーさんには、買い物だけお願いしています。脳性まひの影響で生まれつき右半身が不自由で、調理など家事は左手だけで行っています。両膝には人工関節が入っていて、椅子がないと座れません。身障3級。内科は2か月に1回、眼科は月に1回タクシーで通院しています。子供は息子と娘2人の3人いましたが、一昨年に息子を病気で亡くました。「息子が亡くなった後、1年くらいは何もやる気がおきなかった。娘が市内に住んでいて、週に1回程度立ち寄ってくれ助かっている」
 「今年は雪が少なくて助かっている。玄関前の雪かきは近所の人が手伝ってくれています」
 「ストーブは朝6時頃に起きるとつけて、寝る午後9時頃には消すようにしています。灯油代は、月に1万2千円程度かかる。生活保護のお金は、この間減らされ続けていて、生活はますます大変になっています」と語る山田さん。
 今回の調査で多くの世帯で経済的理由により、就寝時には暖房を止め、日中帯も低めに設定している人が多くいることがわかりました。ある調査では、低体温症による死亡は熱中症の2倍といわれています。今後、調査結果をまとめ、制度改善等につなげていきたいと考えています。

 

健康あらかると

インフルエンザと感染予防

函館稜北病院 副総看護師長 後藤 若菜

函館稜北病院 副総看護師長 後藤 若菜



 冬場に流行する感染症に代表されるインフルエンザ、今期は昨年の11月頃の早い時期から流行が始まりました。
 インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる疾患です。風邪は異なるものですが、初期症状では区別がつきにくいものです。
 典型的なインフルエンザは、ウイルスの感染を受けてから1~3日間の短い潜伏期を経て、38℃以上の高熱や頭痛、筋肉痛、関節痛、全身の倦怠感などの症状が突然あらわれ、この後、咳、鼻汁などの上気道炎症状が続き、約1週間で軽快します。

  インフルエンザ 風邪
症状 38度以上の発熱 発熱
全身症状(頭痛、関節痛、筋肉痛など) 局所症状(のどの痛み、鼻水、くしゃみ、咳、など)
局所症状(のどの痛み、鼻水、くしゃみ、咳、など)  
急激に発症 比較的ゆっくり発症
流行の時期 12~3月(1月~2月がピーク)
※4月、5月まで散発的に続くことも
年間を通じて。特に季節の変わり目や疲れているときなど

 では、どのように感染するのでしょう?
 インフルエンザの感染経路は大きく分けて飛沫感染と接触感染があります。

☆飛沫感染

感染者のくしゃみや咳、つばなどの飛沫と一緒にウイルスが空気中に飛び出す、別の人がそのウイルスを口や鼻から吸い込み感染

☆接触感染

感染者がくしゃみや咳を手で押さえる、その手で周りのものに触れてウイルスが付く、別の人がその物に触ってウイルスが手に付着、その手で口や鼻を触って粘膜から感染

 この感染経路を断つことが重要になるのですが、感染する要因の多くは接触感染にあります。
 インフルエンザの流行期には、ドアノブや電車のつり革など、様々な場所にウイルスが付着しています。このような状況では、手にウイルスが付着することを未然に防ぐことは困難です。だから、身を守るためには、「手洗い」がとても大切になるのです。手洗いは、帰宅時や食事前だけでなく、不特定多数の人が触るようなものに触れた後にも可能な限り行うことが大切です。

 正しい手洗いは、インフルエンザだけでなく他の感染症の予防にもなります。
 しっかり手を洗って感染症を予防しましょう!

 

料理教室 お料理レシピ

(73)具沢山きのこ汁☆味噌味

(鍛治友の会の「お料理教室」でつくったレシピです)
(1人分 164kcal)

具沢山きのこ汁☆味噌味
材料 2人分
大根
2.5cm
人参(中)
1/2本
牛蒡
1/4本
しめじ(小)
1/2P
舞茸
1/2P
椎茸
2枚
えのき(大)
1/4袋
2.5~3C
昆布
20cm角
削り粉
大さじ2
味噌
大さじ2~2.5
味醂
小さじ2
七味唐辛子
適宜
胡麻油
適宜
じゃがいも
1ケ
とうふ
150g
長ねぎ(みじん切)
少々

作り方

  1. (1) 大根はいちょう切りに、人参は半月切り、牛蒡は皮を剥き斜め薄切りにします。
  2. (2) 椎茸は軸を切り5㎜幅に切ります。しめじは軸を切り、小房に分け、舞茸は小房に分けます。
  3. (3) えのきは軸を切り落とし、半分に切ります。
  4. (4) 熱した鍋に胡麻油(キャノーラ油でも良い)をひき、(1)の野菜を炒めます。水、出汁を加え、沸騰したら中火にして煮込みます。
  5. (5) 10分程して野菜が煮えてきたらきのこ類を入れ5分程煮ます。
  6. (6) 弱火にして、味噌を味醂を加え、ひと煮立ちさせたら火を止めます。
  7. (7) 器に盛り付け、七味を散らします。お好みでネギを添えてもOKです。
  8. (8) 塩味で作っても美味しいです。
ワンポイントアドバイス
  • 冷蔵庫の中にある色々な野菜を入れて食べるのもおすすめです。

道南勤医協だより

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