函館民主商工会の筑田智己事務局長に消費税増税の問題と影響についてうかがいました。
消費税の大きな問題点は、弱者がより多くの負担をする税金という点です。財務省は「広く薄く、公平でシンプルで、中立的な税制」と言っていますが、実態はその正反対です。実際の消費税の納税義務者は消費者ではなく事業者です。公共料金であれば、コスト+利益+消費税という値決めが出来ますが、通常の商品やサービスの価格は市場のメカニズムで決まります。小売店であれは、近所に安売りスーパーがあれば、仕入金額が上がっても、利益を削りながらでも値段を上げる事はできません。下請けと元請けの関係であれば、下請けが消費税を上乗せして請求しても力関係により削られる状況にあり、個々の取引で弱い側がより多くを負担する仕組みとなっています。
実際にこの春から、食品メーカーが増税前の駆け込み値上げのように一斉に値上げをしていて、道南でも負担に耐えられなくなった当会会員の小売店数店が廃業を余儀なくされています。それは、所得税や法人税が利益に対してかかる税金であるのに対して、消費税は利益と関係なくかかる税金で赤字でも発生します。赤字であれば経営は厳しく、納めようにも納められず、自分の給料や年金もつぎ込んでまで消費税を納税しなければなりません。その限界を超えて「店を閉める」事になります。まさに弱い物いじめの悪税です。
増税されればその影響が大きくなり、ますます廃業や倒産が増え、中小零細企業が経済主体である道南地域がさらに衰退していくことは明白です。一方で輸出大企業は増税になるほど還付金が増えます。消費税は国内の取引にかかる税金ですので、輸出の売上は「免税」となり、仕入等で払った消費税が還付になるからです。しかし、先ほどの市場原理により、実際には下請けに消費税を負担させているケースが大半であり、非常に不公平な税制度となっています。
消費税増税により、電気やガス、ガソリンなどの光熱費や燃料費に加えて、食料品から各種税金まで生活にかかる負担がさらに増えます。勤労統計を改ざんしてまで増税し、国民が身を削って納めた税金を湯水のように無意味な国策に注ぎ込むのは許されません。なんとしても増税をストップさせなければなりません。
函館稜北病院 リハビリ部 言語聴覚士 鹿内 俊彦
皆さんはオーラルフレイルという言葉をご存知でしょうか?
日本語では『口を介した体の衰え』のことをさします。オーラルフレイルは、口の中の食べ物を飲み込む嚥下機能や、舌や唇を動かす力やスピードといった口腔機能の低下によって『うまく噛めない、咀嚼ができない』という悩みからはじまります。うまく噛むことができないと、食べられない食品が増えるため、食事量や食欲が減少していき、充分な栄養が摂取できなければ身体は弱ってしまいます。加えて、口を動かす機能の低下は発音や会話がスムーズにできなくなってしまうため、人と会ったり外出したりすることがしだいにおっくうになっていきます。更には家の中にこもっていることが増えると、運動量の低下はもちろん、体のさまざまな機能も衰えていく、というようにどんどん悪循環にはまってしまいます。
このオーラルフレイルの対策は、話す・食べるなど日常の行為を通じて、口をしっかり動かして使うことが大切です。食事はよく噛むようにする、正しい歯磨きや義歯の手入れなど毎日しっかり口の中をケアするなど、普段から意識して実践できることもあります。
オーラルフレイルの代表的な兆候をチェックポイントとして表にまとめました。
もし、1つでも当てはまる項目があればフレイルやオーラルフレイルの兆しかもしれません。外出の機会を増やし、社会的な活動を心がけ、快活な生活を送ってください。また、歯科の受診や口腔ケアの指導などを受けるなどして、口の健康に努めましょう。仮にあてはまる項目がなかったとしても、油断は禁物です。健康維持のための口の役割の重要性を理解して、普段からしっかり噛むことを意識しましょう。
質問事項 | はい | いいえ |
---|---|---|
半年前と比べて、堅いものが食べにくくなった | 2 | |
お茶や汁物でむせることがある | 2 | |
義歯を入れている | 2 | |
口の乾きが気になる | 1 | |
半年前と比べて、外出が少なくなった | 1 | |
さきイカ・たくあんくらいの堅さの食べ物をかむことができる | 1 | |
1日に2回以上、歯を磨く | 1 | |
1年に1回以上、歯医者に行く | 1 |
※東京大学飯島勝矢教授からの話から作成
(鍛治友の会の「お料理教室」でつくったレシピです)
(1人分 214kcal)