ホーム > 道南勤医協だより > 道南勤医協だより 421号

道南勤医協だより 421号

トピックス

患者の権利を守り、ともに寄り添った外来看護のかかわり
稜北クリニック看護師一同

渡辺外来師長が語る

 高齢化や病状の変化・ご家族の都合などで、外来通院が難しくなってくる患者さんも多くなっています。稜北クリニックに長く通院されていたAさん(80代女性)も体調不良により、夫による薬だけの受診が多くなりました。食欲不振で受診された時には、総合病院での検査・治療が必要な容態であったため、紹介入院となり、そこで癌末期余命1か月の宣告を受けました。総合病院に入院中、Aさんは環境の変化などから落ち着きがなくなり、付き添いのため夫は毎晩呼び出され、仕事もできなくなり、疲労が蓄積していました。夫はご自宅での看取りを覚悟して退院を選択しましたが、困って稜北クリニックへ相談に来られました。正直、私たち看護師もとても驚きましたが、外来看護師として何をすべきか、主治医とともに相談しました。

 何のサポート体制もないまま退院され、在宅支援を急ぐ必要があったため、稜北病院訪問診療室へ相談し、主治医と看護師でご自宅を訪問させていただき状況を確認しました。主治医から直接本人へ訪問診療になることを伝えるととても安心されていました。訪問診療室の迅速な協力があり、夫が相談に来られてから3日後には訪問診療が開始され、Aさんは住み慣れたご自宅で家族とともに最期の時を過ごすことができ、夫は仕事を続けることが出来ました。後日、看護師がご自宅を訪問させていただき、夫より「今まで様々な困難を乗り越えてきた夫婦の絆についてや、退院時の夫の覚悟、お看取り後の気持ち」など、お話を伺いました。このかかわりを通し、私達は患者さん・ご家族にとって窓口となる外来の役割について再認識し、他部門との連携の重要さや、患者の権利を守り、ともに寄り添う外来看護の大切さを学ぶことができました。

 

健康あらかると

口から全身の健康づくり

歯科衛生士 竹田 侑奈

歯科衛生士 竹田 侑奈



歯を失う2大原因は?

 それは歯周病とむし歯です。なかでも歯周病は、糖尿病や心臓病と同じ仲間の生活習慣病に位置づけられています。生活習慣病に共通しているのは初期段階では本人にあまり自覚表情がないことです。気が付いた時には、かなり進行しているケースが多いのです。
 歯周病は糖尿病、心疾患や循環器系の疾患も口腔内の環境が大きな影響を明らかになってきていますので、日頃から自身の口腔内に関心を持つことが大切です。

歯周病チェック

 1~2項目があてはまれば歯周病の可能性があります。歯周病が重度まで進行する前に歯科医院で定期健診を受けることをおすすめ致します。

  • 歯肉に赤くはれた部分がある。
  • 口臭が気になる。または家族から指摘されることがある。
  • 歯肉が痩せてきた。
  • 歯と歯の間に物が挟まりやすい。
  • 歯磨きの時、歯ブラシに血がついてきたり、すすいだ水に血が混じることがある。
  • 歯が浮いたような違和感を感じる時がある。
  • 指で触ってみて、グラつく歯がある。
  • 歯肉から膿が出たことがある。

糖尿病と歯周病

 歯周病は糖尿病との合併症のひとつと言われるほど深い関連性があります。

  • 糖尿病は通常の2倍以上、歯周病にかかりやすくなる。
  • 血糖コントロールが悪いと歯周病がより重症化しやすく、逆に、歯周治療を行うと血糖コントロールがよくなることがあることも分かってきています。

喫煙と歯周病

 歯周病を悪化させる危険因子として喫煙した煙草の蓄積本数が多いほど細歯周組織に悪影響を及ぼすといわれています。

  • ニコチンの血管収縮作用
    歯肉への血行不良、酸素や栄養が欠乏し、老廃物の除去がうまく働かなくなる。
  • 歯肉の線維化
    出血など歯周病の典型的な症状が出にくく、重症化してしまう。
  • 白血球の機能の抑制
    細菌と闘う白血球の機能が50%も減少する。
  • 歯肉の修復機能に対する悪影響
    歯周治療に必要な繊維芽細胞の働きを抑えてしまい、結果、治癒反応が悪くなる。

歯科検診とメンテナンスの重要性

 「歯科検診」=早期発見、早期治療です。
 「メンテナンス」=健康な歯と歯肉を維持するための健康管理をする目的は歯のクリーニングを行いバイオフィルムの破壊、炎症コントロール、歯周病の再発予防です。バイオフィルムとは細菌の塊で、うがいや軽く歯を磨く程度では除去できません。
 歯科医師や歯科衛生士による器械的な除去が最も効果的です。
 定期検診の間隔は基本的には3か月ですが、その人の口腔環境により間隔が短くなったり徐々に延びたりします。定期検診を怠ると確実に歯周病は再発してしまいますので健康への自己投資と考え定期検診を継続しましょう!

 

料理教室 お料理レシピ

(64)生鮭・ほうれん草・ブロッコリーのパスタ(クリーム風味)

(鍛治友の会の「お料理教室」でつくったレシピです)
(1人分 345kcal)

生鮭・ほうれん草・ブロッコリーのパスタ(クリーム風味)
材料 2人分
スパゲッティ
160g
生鮭
2切れ
ほうれん草
1/2束(100g)
ブロッコリー
100g
生しいたけ
2個
生クリーム
100g
牛乳
50cc
小さじ1/2強
オリーブオイル
大さじ1
茹で汁〈A〉
1500cc
15g

作り方

  1. (1) 生鮭は1cm幅のそぎ切りにし、軽く塩・白コショウ(分量外)をしておく。ほうれん草は5cm幅に切り、ブロッコリーは親指くらいの小房に分け、生しいたけはスライスする。にんにくは包丁の背で潰しておく。
  2. (2) 茹で汁 A を沸騰させ、表示時間より1分ほど短めに茹でる。茹で時間残り3分前にブロッコリーを入れ、残り1分前にほうれん草を入れ一緒に茹であげる。
  3. (3) 茹でている間にフライパンにオリーブオイルを入れ、生しいたけ、鮭を入れ火を通す。
  4. (4) 鮭に火が通ったら生クリーム・牛乳を入れ沸騰したら、(2) の茹で上がったパスタ・ほうれん草・ブロッコリーを入れクリームとなじませ、塩を入れ味を整える。器に盛ります。
    お好みによりコショウをふる。
ワンポイントアドバイス
  • 茹で汁にはきちんと塩を量って入れてください。パスタの大事な下味になります。
骨をつくる材料がバランスよく摂れる一皿

 骨の材料となるカルシウム(牛乳・生クリーム)、その吸収を高めるビタミンD(鮭)、カルシウムを骨に定着させるビタミンK(ほうれん草・ブロッコリー)をバランスよく摂れるパスタ。パスタと一緒に野菜を茹でることで野菜の下味も付き、時間も短縮。コクが欲しい人はバターを加えてもOK。

道南勤医協だより

このページの先頭へ