「今年もみんなで特定健診を受けに行こう」…桜が丘友の会は3年前から取り組んできた集団特定健診を今年も行なう計画です。健診を勧める手づくりチラシを道南勤医協だよりとともに届け「友の会ミニバスも出ますよ」とお誘いしています。
毎年特定健診を受けている内田満子さんは「健診に加えて友の会員なら無料の心電図と胸部レントゲンも受けられるし、合わせてインフルエンザワクチンもしてもらえるので本当に安心で助かっています」と話しています。
特定健診は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の方やその予備群の方の生活習慣の改善を図ることを目的に、2008年4月からスタートしました。特定健診の対象者は、40歳以上74歳以下の「国民健康保険加入者」と、「協会けんぽなど会社勤めの方の被扶養者」の方です。また「75歳以上の後期高齢者」の方も特定健診に準じた健康診査を受けることができます。
特定健診の検査内容は、診察・問診・身体測定・血圧・採血・採尿です。友の会員限定の基本コースはオプションで心電図とレントゲンが無料で受けられます(当日入会も可)。基本コースであれば、事前予約なしで受けることができますので、各院所の診療時間内に受診してください。特定健診と一緒に、動脈硬化を調べる検査(PWV)や胃の検査(胃バリウムか胃カメラ)、腹部エコーなどを受けたい場合は、事前に予約が必要です。あらかじめ、函館稜北病院の健診科に電話でお申込みください。
健康診断は、今の健康状態を知ることで、生活習慣を見直すきっかけにもなります。年に1度は健診を受けるよう心がけてみてください。特定健診を受ける時は、必ず健康保険証と受診券をお持ちください。受診券には有効期限がありますので、必ず事前にご確認ください。受診券がない方や紛失された場合は、加入している健康保険にお問い合わせください。
※75歳の誕生日を迎えられる方は、受診券が切り替わりますのでご注意ください。
作業療法科 科長 岩崎 祐介
これまでに「認知症について」「認知症予防」と記載させていただきました。今回は、「認知症の人への対応」について記載したいと思います。認知症の人は「何もわからなくなる」「徘徊や妄想、興奮など不可解な行動を起こす」などと決めつけていませんか。そして、危ないからと何もさせない、一人で出かけさせないなどの対応しかできないと思っていませんか?どんなに認知症の症状が進んでも、人としての感情はあります。ですから、注意したり、行動抑制をかけたりすることは逆に認知症の人にとってストレスとなり、暴言・暴力などといった行動に出たり、引きこもりがちになり意欲が低下したりと、症状を更に悪化させてしまうことになります。家族をはじめ周囲の人は、認知症という病気を理解し、認知症の人の気持ちに寄り添うことが大切です。出来るだけ早く症状に気付き対応することが大切です。
まだまだ症状はあります。個人差もあり100人いれば100の認知症状があります。寄り添ってもうまく症状が改善するとは言い切れませんが、症状のあるがままを受け止め、適切な支援を受けながらうまく症状と付き合っていくことが大切です。たとえ認知症になったとしても、周囲の環境やつながりが整っていたことで症状が良くなるということも、最近の研究でわかっています。認知症になっても暮らしやすい社会であること。そのために、社会としてどのように取り組んでいくのかについて、「自分ごと」として考えていく大切になります。
世界で認知症の人は2015年に4680万人、50年には1億3150万人に増加すると予測されています。認知症は世界中で、誰にでも起こりうるものです。認知症予防は様々な研究がおこなわれていますが、共通して言われていることとして、食事・運動・睡眠そして社会的交流・脳トレです。食事、運動、睡眠は身体の基礎体力を整え、社会定期交流と脳トレは、脳の基礎体力を整えるものです。
認知症は、脳のダメージの蓄積で発症します。脳の基礎体力がしっかりしていたり、きちんとした生活習慣をしていたりすれば、病気のダメージに耐えることができます。つまり、認知症を予防したり、遅らせたりすることができると言われています。脳はたくさんの神経細胞がネットワークを作ることで働いていますが、このネットワークがしっかりしている人は、脳の病気になっても簡単には働きが衰えません。幼少期の教育をしっかり受けた人とそうでない人を比較した場合、受けた人は高齢になった時に認知症になりにくいという報告もあります。脳のネットワークが最も活発に形作られるのは幼少期ですが、生涯に渡って新しいことを学び続けることは、認知症を防ぐ良い効果があると言われています。また、計算や物作り、ゲームや遊び、人とのコミュニケーションは脳の働きを高めます。
高血圧や糖尿病、喫煙、肥満などは、脳にストレスやダメージを与えてしまい、脳の機能を落とす方向に働きます。難聴なども、周囲の人とのコミュニケーションがうまくできなくなり、閉じこもりがちになって頭を使う機会が減り、脳が衰える原因になります。脳のネットワークを活用するためにも社会的交流や脳トレは大切なのです。しかし、認知症のリスクを減らせても、ゼロにすることはできません。残念ながら認知症になってしまうこともあります。2025年には認知症の人が日本で700万人を超えるともいわれるなかで、一人ひとりが予防に気を付けるのはとても大切なことですが、誰もが「自分ごと」として認知症になっても暮らせる社会について考えていくことも大切です。
(函館稜北病院管理栄養士のレシピです)
(1人分 136kcal)