新春座談会
逢坂 誠二氏(衆議院議員)
本間 勝美氏(前函館市会議員・元職員)
坂本 雅美さん(道南勤医協労働組合執行委員・職員)
逢坂 誠二氏
大間原子力発電所は、結論から言いますと世界でもっとも危険な原子力発電所だと思っています。それは、最も危険なMOX燃料を使用すること、国際海峡である津軽海峡に面しておりテロにあう可能性の危険な場所であること、大間町の北側には活断層があることです。なお、下北半島の南側には在日米軍三沢基地もあり更に危険を高めます。
また、絶対安全ではない原発が万が一事故を起こした場合、函館市と近隣市町村を含め30万人が住んでいますが、国道が一本しかないなかでは避難はまったく出来ないです。そういう意味でも人の命を危険にさらし動かす原子力発電所が大間原発です。違う観点からは、核燃料サイクルとしての目的の施設でもあり、日本は核燃料サイクルから手を引くべきだと思っています。また、日本が核兵器の材料になるプルトニウムを保有していることにアメリカの議員も危機感を持っています。あらゆる観点から見て大間原子力発電所を絶対稼働させてはいけないと思っております。
憲法9条のはたしてきた役割は、非常に大きく日本が世界の国から信頼される大きな柱だと思っています。第二次世界大戦の時には世界中から非難されることをしてしまいましたが失った信頼をここまで回復させたのが憲法9条ではないかと思います。それを変えると日本は今までの信頼が崩れたり標的になったり更には世界の紛争にさらされることになると思います。また、今の内閣は憲法の本当の役割はなにかをわかっていないのではないかとも思っています。憲法と法律とは違い憲法は権力者を縛る物です。権力者とは大臣や国会議員や公務員等のことです。権力者は国民の自由の制限をすることをできる権限を持っています。今、憲法の根幹を変えることは、立憲主義の否定となってしまうと思っています。
本間 勝美氏
大間原子力発電所について国は原発から30km圏内の自治体に原発災害時の避難計画をつくらせています。泊原発災害時の避難訓練の映像を見ましたが住民を避難させるために駆けつけるバスの運転手は防護服も身に付けていません。そもそも住民を避難させるためには膨大な数のバスが必要となりとても現実的ではありません。欧米では当たり前となっている深層防護という視点も欠落し、実効性のない避難計画づくりを自治体に押し付けるやり方は間違っています。電気は足りている中で建設中の大間原発は必ず中止させないといけません。私が函館市議だった2012年に函館市議会は「大間原発無期限凍結の決議」を全会一致で決めました。思想信条の違いを超えてオール函館で大間原発の建設を止めようと様々な団体が頑張っています。住民訴訟の判決も間近に迫る中、逢坂議員も私も参加している「バイバイ大間原発はこだてウォーク」など市民が声を上げていくことは本当に重要だと思います。
憲法9条改憲には国民の過半数が反対しています。一切の戦争と武力の行使を放棄し、戦力も持たないことを明記した9条によって、自衛隊員からはひとりの戦死者も出していないのです。その憲法9条に新たに自衛隊を書き加えようとしています。その自衛隊とは多くの国民が反対し憲法学者は憲法違反だとする集団的自衛権の行使が可能となった自衛隊です。専守防衛の自衛隊ではなく、日本防衛とは関係無く地球の何処へでも米軍と戦争が出来る自衛隊なのです。そのことが国民には正しく伝えられていません。そこでいま急いで取り組むことが必要なのは道南勤医協でも取り組まれている「9条改憲NO!3000万人署名」です。いきなり国防軍では抵抗があると考え抵抗が少ないだろうと自衛隊を書き加えることを考えたと思いますが、このことによって9条のもっとも大切な部分(一項と二項)が効力を無くしてしまうということを早く広く伝える必要があると思っています。
坂本 雅美さん
お2人のお話を聞き、自分自身も勉強不足だと感じました。今まで、何となく原子力発電所建設はよくない、憲法9条を変えないでほしい、戦争放棄は日本国憲法の一番良いところで大事なところです。そこを変えてしまったら終わりだと思っていた程度でした。今日のお話を聞き、特に大間原子力発電所についての危険性は、函館だけや自分達だけの問題ではなく日本全体の問題であり、やはりなくすべきものだと思います。憲法改憲の問題は、社会保障の問題と違い中々か分かりづらく同職の友人らの中でも話題にはなりませんでした。今回、憲法改憲の危険性のお話を聞く機会があり、議員さんや政治家の方たちだけに任せるだけでなく、私たちが身近にいる人々に、草の根運動ではないですが、きちんと伝えていきたと思いました。今日はありがとうございました。