2009年から始まった「友の会大腸がん無料検診」は9年目になりました。多くの友の会員から「検査は便を採取した容器を、返信用封筒に入れて郵送すれば、後日、結果が郵送されてくるので簡単ですね」「無料で手軽なので毎年必ず受けています」などの感想が寄せられています。
稜北クリニック 院長 犬童 伸行
今年も友の会の大腸がん検診が始まりました。
日本人の大腸がんによる死亡数は、男性で肺がん、胃がんに次いで第三位ですが、女性では肺がんや乳がんをしのいで第一位になっています。
検診を受ける方は年々増加しており、この3年間で大腸がん9例、大腸ポリープ88例が診断され、治療を受けて治癒しております。
大腸がんの症状としては急な便秘や便が細くなる、便に血が付くなどしたら要注意です。
しかし早期がんでは症状があまり出ませんし、深部大腸では便が泥状のため上記のような症状はほとんど出ません。症状が無いから自分は大丈夫、検診は必要ないとは言えないのです。
大腸がんは、幸い他のがんに比べて治癒率の高い疾患ではあります。
しかしやはり早期発見、早期治療が望ましいことは言うまでもありません。
これまで受けていなかった方はもとより、受けたことのある方も陰性だったから今年はやらなくても良いとパスしないで受けて頂きたいと思います。
しらかば薬局 薬剤師 若松 利幸
認知症には、アルツハイマー型、脳血管性、レビー小体型、前頭側頭型(ピック病)、それらの混合型等があり、その中でアルツハイマー型が大半を占めています。アルツハイマー型認知症の根本的な治療は道半ばでありますが、中核症状(記憶障害、見当識障害、失語、失行、実行機能障害)に対し現在4種類の薬があります。(1) 脳の神経細胞間の情報伝達を活発にさせる作用により、意欲を向上させる薬と、(2) 神経細胞の過剰な興奮を抑えることで気持ちを穏やかにする薬に分けられます。
(1) 意欲を向上させる薬 |
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ドネペジル(アリセプト)・ガランタミン(レミニール) |
リバスチグミン(リバスタッチ・イクセロンパッチ)=貼り薬 |
(2) 気持ちを穏やかにする薬 |
メマンチン(メマリー) |
薬を早い段階から使って意欲を向上させることで認知症の進行を遅らせることができ、気持ちを穏やかにする薬を併用することで怒りっぽくなるのを抑える事ができます。注意点は、(1) の薬は吐き気・嘔吐・食欲不振・下痢等の消化器症状、イライラして落ち着かなくなる等、貼り薬ではかゆみ・発赤等、(2) の薬はふらつき・眠気・便秘等です。
脳血管性認知症は脳梗塞や脳出血をさせないことが重要で脳血流を増加させる薬や血液をサラサラにして再発予防の薬が使われます。レビー小体型認知症は先発のアリセプトのみが適用となり、また、パーキンソン病に似た症状が出る場合は抗パーキンソン薬が処方されます。前頭側頭型認知症は現在のところ有効な治療薬はなく、対症療法として抗うつ薬や抗精神病薬を利用することがあります。
認知症の薬物治療の目的は、中核症状の進行抑制と周辺症状の軽減です。認知症に伴う周辺症状(不穏、焦燥、徘徊、不安、抑うつ気分、幻覚等)には、症状により抗不安薬、抗精神薬、抗うつ薬、睡眠導入剤等、漢方薬では抑肝散や抑肝散加陳皮半夏等が使われます。
認知症治療薬の効果は症状の進行抑制であることから、服用開始早期から目に見える改善効果が得られませんが、薬の効果はゆっくり現れ、病気の進行を抑え、日常生活の支障や介護負担の軽減が期待できます。
認知症 | 原因 | 特徴 |
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アルツハイマー型 | アミロイドβやタウと呼ばれるタンパク質 | 記憶障害、物忘れ |
脳血管性 | 脳梗塞・脳出血等 | 無気力・自発性低下・不眠・情緒不安定等 |
レビー小体型 | レビー小体と呼ばれるタンパク質 | 認知、パーキンソニズム、幻視、情緒不安定等 |
前頭側頭型 | 前頭葉・側頭葉の萎縮 | 清潔保持・衛生面の管理ができない、人格変化、暴言や暴力が増える |
(鍛治友の会の「お料理教室」でつくったレシピです)
(1人分 563kcal)