2月25日、札幌市で北海道民医連全医師会議が開催され、各地の医師が今の時代認識や情勢を学びました。地域の医療を守り、さらに発展させる為の展望と課題について院所からの報告と討議、初期研修医による地域医療研修の報告がされました。
川口医師が「函館稜北病院の取組」と題して病院の概要・函館ジェネラリスト・カレッジ開校について(多職種連携のイベントを開催)・初めて在宅患者の看取りをした施設へのサポートについて・道南在宅ケア研究会開催について(市内の急性期病院での持ち回りでおこなう多職種の勉強会)・函館市内の病院事情と情報共有の必要性について報告し、最後に病院の今後の展開を話しました。
2015年に入職した新卒医師14名の内、道南勤医協で5名(石部・大江・杉本・佐藤・井上医師)が初期研修をおこない、その内3名の医師が道南勤医協での研修について報告をしました。
石部医師は、勤医協中央病院で研修中に高齢者ケアに興味を持ち、「リハビリって面白そう」・「地域にでかけて地域医療を実践したい」と思い、リハビリも経験できて地域医療も学べる道南が絶好の研修場所と思い選び、特に家屋調査や退院後訪問、患者さんを担当し症例を経験したことを報告し、最後に4月から道南勤医協で専門研修を行うことが併わせて報告されました。
大江医師は、函館稜北病院で回復期病棟でのリハビリや多職種での話し合いへの参加、訪問診療同行、、五稜郭病院で退院する患者さんについての話し合いへの参加、江差診療所で行った5日間の外来診療、幼稚園児の検診、保健所訪問、厚沢部町国病院の訪問等を体験したことで、特に各臓器、疾病だけではなく「人を総合的に診る」ということを学んだ報告がされました。
杉本医師は、市立函館病院での回診、奥尻町立国保病院での検査や病棟研修での医療者と住民がお互いの事をよく知っていると感じたこと、函館稜北病院では訪問診療に係わる多職種の皆さんと今後の方針を話し合いできたこと、最後に函館稜北病院の地域医療の一端を垣間見ることができたことや日々の診療で病院間連携と施設との連携で函館の地域医療力の底上げをしていることがよく分かったと報告がされました。
内科医師 瀬川 美樹
これは、がんが治癒した人だけでなく、がんの診断直後および治療中の人(アメリカではその家族、介護者も)と定義されています。がん診断時から一生サバイバーでありつづけるので、日本ではがん経験者と考えた方がわかりやすいかもしれませんね。
この人たちは、再発・転移の心配に仕事・医療費の問題と不安が尽きません。がんそのものや治療による抑うつ・疲れやすさ・睡眠障害・痛み・集中力や記憶力の低下・ストレス(子供の問題等)なども抱えています。それでも自分の居場所・生きている証(あかし)を求め、生活の質を下げないためにも働いている人が多いのです。みなさんの隣にもいるかもしれませんね。
がん経験者の4人に1人は50歳未満の働き盛りとも言われています。今は高齢者雇用の増加でもっと多くのサバイバーが社会で働いています。
男性では40歳すぎから徐々に高齢になるほどサバイバーは増えます。しかし、女性は乳がん・子宮がんとまさに働きざかり・子育て時代の30~40歳代にサバイバーとなる人も多いのです。
ただ、医療も進歩しています。早期に発見され適切な処置を受ければ多くの人が完全治ゆのサバイバーにもなれる時代です。
特に患者数の多い、大腸、胃、肺、(前立腺)、乳、子宮のがん検診は「見つかったら怖いから受けない!」ではなく、是非とも受けてください。(当院で受けられる検診もあります。)
最後に、がん発症には遺伝だけでなく、喫煙、飲酒、食事、運動などの生活習慣が大きく関わっていることもわかっています。これを機に生活習慣を改善し、がんリスクを低下させることに取りくむ事をおすすめします。
がんにならないに越したことはないけれど、がんを早期に発見することで、家族を含めたサバイバーの身体的・精神的(時に経済的)な負担は軽減されます。さあ、今から生活習慣を改善し、がん検診に行きませんか?
(鍛治友の会の「お料理教室」でつくったレシピです)
(1人分 472kcal)