昨年の12月20日、函館市役所保健福祉部と函館地方社会保障推進協議会との「懇談」が函館市役所会議室でおこなわれました。
函館市役所からは保健福祉部高齢福祉課長、主査の計2名が出席し、函館地方社会保障推進協議会からは会長はじめ加盟団体より8名が参加しました。加盟団体のひとつ民医連道南ブロックからは友の会事務局長と職員3名が参加しました。昨年の4月22日も函館市と質問事項にそって懇談をおこない今回が2回目となります。
懇談の中では新たに導入されるチェックリストに関連し、担当者によって要介護認定の必要な人が排除されることのないように申し入れました。また、訪問型サービス(ヘルパー)、通所サービス(デイサービス)についてサービス提供者や人員基準等の基準を緩和した新たなサービスが導入されることについても意見が出されました。新たな訪問型Aのサービスでは、現行の約8割に報酬単価が引き下げられるのに伴い、経営的には困難になることからサービスを担う事業者がどの程度あるのかを尋ねると、「現時点では見通せない」との回答でした。また、現在ヘルパーが行っている専門職としての生活援助サービスがヘルパー旧3級程度の短時間の講習を受けた職員がサービス提供を行うことについても不安の声がだされました。函館市としても国が創設した新制度に悩みながら準備を進めていることが率直に語られました。函館地方社会保障協議会ではひき続きこれらの課題について注意深く見守っていきます。
言語聴覚士 小松 遥奈
「フレイル」とは健康な状態と日常生活でサポートが必要な状態の中間として、2014年に提唱されました。多くの高齢者は健康な状態からフレイルの時期を経て要介護状態に至るのです。
フレイルには動作が遅くなり転倒しやすくなったりするなど身体的な問題だけではなく、認知機能の障害やうつ病などの精神や心理的な問題、独り住まいや経済的な困窮などの社会的な問題も含まれます。
フレイルの定義は、?体重減少、?疲れやすさの自覚、?日常での活動量低下、?歩行速度の低下、?筋力の低下とされています。一般に、筋力は20~30歳頃をピークとし徐々に低下していきますが、60歳を過ぎると劇的に低下します。
研究によると、歩行速度が1秒間に1メートル以下になると介護が必要になるリスクが高くなると言われています。目安として横断歩道の青信号は毎秒1メートルの速度で渡れるように設計されており、赤信号になる前に横断歩道を渡れなくなると要注意です。
また、高齢者の筋肉量を簡単にチェックできる目安があります。やり方は、両手の親指と人差し指で輪を作り、ふくらはぎの一番太い部分を囲みます。この時隙間ができると筋肉量が少なくなっている可能性が高いです。
フレイルを防ぎ健康を回復するために基本はやはり運動と食事です。筋肉を増やすためには、有酸素運動が必要とされており、ウォーキングが最も取り入れやすいです。最低でも1日5000歩~6000歩を継続すると筋力の低下を防げると言われています。最近では万歩計をつけている方もよくみかけるようになりました。
食事では筋肉のもととなるタンパク質の摂取がポイントとなります。高齢者は、十分なタンパク質を摂取する必要があると考えられています。
高齢者は腎機能障害を持つ人も多いので注意が必要ですが、性別を問わず体重1㎏当たり1gのタンパク質を毎日食事から取ることが好ましいとされています。肉は鉄分や脂肪など、ほかの栄養も一緒にとれるうえ、必要なたんぱく質を効率的に摂取できる食べ物といえます。おわりに社会との関わりが薄れると、日々の活動量や、健康維持への意欲が低下してしまいます、社会活動の低下は、体の衰弱の始まりの目安になると言われています。「閉じこもらない」ことが、フレイルの予防法になります。買い物や通院などの他に町内会の集まりやサークル活動へも積極的に参加して「いきいき」と毎日を過ごしましょう!
(鍛治友の会の「お料理教室」でつくったレシピです)
(1人分 366kcal)