減塩をテーマにした友の会懇談会を各地で開催中
厚生労働省は、国民の健康維持のための1日塩分摂取量の目標を男性8g、女性7gと掲げています。高血圧患者さんは6gです。
一方、全国的におこなわれた調査では、日本人の1日塩分摂取量の平均はいまだに12.8gにとどまっています。
患者さんの療養の目標に役立ててもらうため、稜北クリニック内科では、新たに推定1日塩分摂取量を測定し、患者さんの食事へのアドバイスをはじめました。
塩分の過剰摂取は、高血圧や心臓病の患者さんの療養のみならず糖尿病患者さんの腎臓障害にも影響することがわかってきています。
自分の1日の塩分摂取量を知り、減塩目標をたてることは、高血圧を始めとする動脈硬化性疾患の重症化予防のため大切なことです。
ここで、イギリスが国家プロジェクトで取り組んだ減塩の成果を紹介いたします。イギリスは2003年から2011年までの8年間で、国民の塩分摂取量を15%減らす取り組みをしています。政令で各食品に含まれる塩分量を定め、毎年改訂して塩分量をさげました。
その結果、イギリス国民の平均血圧は下がり、心筋梗塞と脳卒中による死亡が4割減少。年間の医療費およそ2,300億円が削減されたと発表されています。
塩分摂取量は検尿から計算いたします。厳密な塩分摂取量は1日の尿をすべてためて測定します。推定1日塩分摂取量は1回の検尿から年齢と体格にあわせた計算する方法です。
腎臓障害の指標の尿蛋白を正確にはかるためには早朝尿が推奨されています。推定塩分摂取量測定は今後、友の会健診にも取り入れる計画です。
また、10月から減塩をテーマにした友の会懇談会を各地で開催しています。
作業療法科科長 岩崎 祐介
認知症についてはいろいろなところで話を聞くことが多いと思います。
今回は認知症についてではなく、認知症予防の運動プログラムを紹介したいと思います。認知症の予防法は様々なものが考案されていますが、共通してよく言われていることは体と頭を使う事です。
体を動かせば体を鍛えるだけでなく脳の神経を成長させる神経栄養因子が記憶をつかさどる海馬で多く分泌され、頭を使う事で脳が刺激され新しい神経細胞がつながりやすくなると言われています。
頭と体を同時に使えば、身体だけでなく脳も健康になるというわけです。
そこで、国立長寿医療研究センターで開発された「コグニサイズ」を紹介します。当院の通所リハビリテーションでも行っています。
コグニサイズは、認識課題と運動課題で構成されます。運動の種類は、全身を使ってできるもので、軽く息がはずんで脈拍数が上昇するものであれば、ステップでもウォーキングでも何でもOKです。
運動と同時に行う課題は、通常はできるけれど、運動と一緒に行うことで時々間違えてしまう程度が理想です。
「間違えて笑って、試行錯誤しながら楽しんで行っていただくことを期待しています」と、国立長寿医療研究センターも言っています。
それでは、基本的なものを紹介します。
聞くのと実際やってみるのは大違い!
ぜひチャレンジしてどこまで失敗なく続けられるかチャレンジしてみてください。
その他にも
などあり、どれも頭と体をフル回転させないといけない内容です。
コグニサイズを行う上で注意すべき10カ条があります。
以上のことをしっかり守り、実施して頂ければと思います。
コグニサイズは一人でもできますが、複数の方々と行うとより楽しく出来る内容です。今回紹介したコグニサイズをベースに内容を変えていく作業も推奨されています。内容を考えていくことも重要な認知症予防のトレーニングです。
スポーツの秋は終わってしまいましたが、家族や友達などに声をかけ一緒に楽しく認知症予防の運動を始めてみてはどうでしょうか。
(鍛治友の会の「お料理教室」でつくったレシピです)
(1人分 300kcal)