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道南勤医協だより 382号

道南勤医協 創立40周年 理事長インタビュー

道南勤医協 創立40周年 理事長インタビュー

未来に向かい 私たちがめざすものは

 今年は道南勤医協創立40年の節目の年です。青年職員の土濃塚真未さんが新函館稜北病院のめざす医療・介護、安心して住み続けられるまちづくりについて堀口理事長にお聞きしました。

地域の期待に応えられる 新函館稜北病院めざして

堀口 あけましておめでとうございます。

土濃塚 あけましておめでとうございます。今年はいよいよ新稜北病院が完成します。入院している患者さんや地域の方々からもいつ完成するのですかという期待の声が寄せられていますが、今後どのような病院にしていく必要があるとお考えですか?

堀口 地域の方々の期待に応えられるように頑張っていきたいと思っています。今年の秋にはすべて完成する予定です。ぜひ楽しみにしていてください。

 函館稜北病院は1981年に開院して、今年で35年になります。今回の新築改築の大きな目的は病室を広くするなど、入院環境を改善することにあります。建設にあわせて、医療の中身も充実させたいと思います。

 入院する方には、介護を必要とする人も大勢いらっしゃいます。入院中は医療だけでなく、ケアやリハビリも大事です。退院にむけたきめ細かいサポートも必要になります。退院後の生活を支えるために、法人内の各部門、他の病院や介護事業所と連携を強めなければなりません。

 新病院建設とともに、職員や社員、友の会のみなさんと力を合わせて「安心して住み続けられるまちづくり」にとりくんでいきたいですね。

戦争法は廃止するしかない

土濃塚 私たちは、核兵器や原発をなくし、平和を守る取り組みとして非核平和自転車リレーを毎年おこなっています。かつて日本は、広島・長崎の原爆投下や、最近では福島の原発事故も発生しました。
 私たちは核の恐ろしさ、苦しさを感じているはずですが、国として核兵器廃絶の声をあげていません。また残念なことに昨年は戦争法も可決されました。この状況をどう考えたらいいのでしょうか?

堀口 核兵器や原発は命に直結する問題です。特に函館の場合は対岸にある大間に原発をつくることが大きな問題になっていて、市民はもとより自治体や町内会、みんなが反対の立場で頑張っています。みなさんと一緒になって函館、青森から原発をなくすために力をあわせていきたいと思っています。

 今の国会、衆議院は全議席の62%が小選挙区選挙で選ばれています。小選挙区でみると、2014年選挙で、自民党は48%の得票で76%の議席をとっています。有効投票率は53%なので25%の得票で76%の小選挙区議席を占有していることになります。国民全体の4分の1の支持で得た過半数の議席、それをもって多数決で決めたのが戦争法案です。

 戦争法案成立前後の世論調査は、その全てで過半数の国民が法案に反対し、憲法違反と考えています。7割以上の国民が審議不十分、多数決での採決反対と考えています。

 自主的な学生団体SEALs(シールズ)は「民主主義ってなんだ」と、国会前で議員や参加者に呼びかけていました。戦争法により、私や国会議員のような中高年者ではなく、自衛隊員や日本の青年たちが、殺し殺される戦場に駆り出されます。戦争法の当事者は青年たちです。当事者である青年たちの声を聞かずに、多数決を押し切ることは本来の民主主義ではないと思います。民主主義のルールに反し、憲法違反でもあり、なによりも戦後70年続いた「戦争しない国」をやめることになる、そういった戦争法は廃止するしかないと思います。

社会保障を充実させる運動を

土濃塚 今年は参議院選挙です。憲法9条も「改正」されかねない動きもあります。若者たちが戦場へ行くことのないように、私たちも一人ひとり、意見をもって投票に行くことが大事になってきますね。

堀口 まずは選挙に参加することが大事ですね。もう一つは地方自治を通して政治に参加すること、今回の原発の取り組みもその一つです。

 医療・介護の分野では、地域包括ケアといって、函館の中で医療と介護と行政が一緒になって、地域ごとにどうやって地域のケアをよくするか考えようということになってきています。そこへ患者さんや私たちの意見を伝え、身近なところから政治に参加することを大事にしたいですね。

 国の政治は先ほどお話ししたように、小選挙区制といったゆがんだ選挙制度によって国民の願いとかけ離れた政治になっています。一方で地方の政治では、住民に密着したとりくみがたくさん生まれています。沖縄での米軍基地反対のとりくみや、函館での脱原発のとりくみのように、自治体も一緒になって、住民の命や健康、生活を守る運動が大きな流れになっています。「安心して住み続けたい」という住民すべての願いをかなえることは、私たちの仕事でもありますし、政治を変える大きな流れになっていると感じています。先ほど紹介したSEALsの学生たちは「民主主義ってなんだ」と問いかけたあと、自分たちを指さしながら「これだ!」とコールしています。「安心して住み続けられるって何だ」という問いかけの答えは、私たちの仕事や、社員、友の会、住民のみなさんとの共同のとりくみにあります。

 今年の参議院選挙は戦争法の廃止、社会保障の充実、私たちの命と暮らしを守るための大事な選挙になります。みなさんと力をあわせて選挙にのぞみたいと思います。

 

新年のご挨拶

お金の心配なしに医療・介護が受けられる国づくりめざして

民医連道南ブロック友の会
会長 天下井 清

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。昨年は太平洋戦争終結70年の記念の年で、国民主権、戦争放棄の平和憲法のもとで安心して住み続けられる、本当に幸せな国になったことを祝うはずだったのに、あにはからんや集団的自衛権の閣議決定、戦争関連法案の一括採択によって、日本が海外に戦争にでかけることができる国になってしまいました。

 ゲゲゲの鬼太郎の水木しげるさんが亡くなりました。水木さんは「戦争はすなわち死です」と言っていました。生き残った人、生まれて生きている人、みんなが大事にしたい言葉だと思います。

 さて、民医連道南ブロック友の会は、春の地域訪問、医療懇談会、健康づくりのサークル活動、会員の親睦をはかる各種交流会、世話人活動交流集会、秋のまちづくり月間活動と多彩な行事を皆様の力ですすめています。函館診療所閉院による函館圏の地域協議会の統合具体案についても近々に提案できる運びになっています。新函館稜北病院の立派な姿もはっきりと見えてきました。

 友の会は今年もまた、これまでのように会員と家族の健康を守り、国の責任でお金の心配なしに誰もが必要な医療・介護を受けられるような、まちづくり、国づくりをめざしましょう。

安倍政治を許さない

北海道民主医療機関連合会
会長 堺 慎

 各地で活躍されている職員の皆さん、友の会員の皆さん、新年おめでとうございます。

 昨年、安倍政権は安全保障関連法、いわゆる「戦争法」を国民の多くの反対の声にも耳をかさず国会で強行成立させました。戦後70年、戦争から距離を置いてきたこの日本が具体的に戦争に関与する国へと方向を変えました。戦争法成立後、安倍首相は臨時国会も開かず、外遊ばかりして国民の声を聞こうとしません。大企業、原発関連企業、軍事産業のお先棒を担ぎ、行商行脚をしていますが、世界の首脳からはアメリカのこめつきバッタの安倍首相は相手にされません。

 TPPも妥結したから、あきらめに近い宣伝をして、なし崩しにアメリカいいなりの政策転換をすすめようとしています。

 マスコミは、沖縄の総意である辺野古基地新設工事差し止めの運動についても報道はするが、少しずつ迷惑行為ともとれるニュアンスを入れつつあります。辺野古に警視庁派遣の海兵隊もどきの非人間的な機動隊を投下した国への批判はありません。

 私たちはこうした権力と、マスコミの法を無視した横暴に抗してあちこちでレジスタンス運動を起こし、継続していかなければなりません。まだレジスタンスというには早いという意見もあるでしょう。だが、周りが言わないからといって臆していれば後で後悔することになります。

 社会保障を守る上でもこの国の政策の根本を変えないことにはどうにもなりません。

 人権を守るために、平和な国、世界を勝ち取るために地道に運動していくことを決意します。ともに闘いましょう。

道南勤医協だより

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