ホーム > ご挨拶・理念 > 理事長挨拶

理事長挨拶

本部事務局 理事長 佐々木 悟

 道南勤労者医療協会(道南勤医協)は、全日本民主医療機関連合会(民医連)に所属する医療介護機関です。民医連は、無差別・平等の医療と福祉の実現を目標に、患者の立場に立った親切でよい医療をめざしています。生活と労働から疾病をとらえ、いのちや健康にかかわるその時代の社会問題にもとりくんできました。民医連はまた、社会保障の拡充、平和と民主主義の実現のために運動してきました。

 道南勤医協は、この民医連に加盟する機関として1976年5月、函館に設立されました。最初、函館市千代台町の函館診療所からはじまり40年がすぎました。函館診療所は、当時まだ国の制度にもなかった訪問看護をすぐはじめました。寝たきりで大きな床ずれのある患者さんの処置や、ベッドから起き上がるリハビリを、無償の訪問看護で行ないました。自らの経験を通して訪問看護の必要性を自治体や国に訴え、現在の訪問看護制度につながっていった歴史を持っています。青函トンネルは1987年に完成するまで、掘削工事でじん肺や振動病の患者さんを多数生みだしました。開設直後の道南勤医協はこの地域で唯一、振動病の検診を行い、以来、じん肺や振動病といった労災の認定、治療に積極的に取りくんできました。

 1981年には函館稜北病院が開設されました。104床の小さな病院ですが、患者の立場に立った医療、それを行うためのチーム医療を何より重視してきました。また、健康を守る住民組織「民医連道南ブロック友の会」と共同して、安心して住み続けられるまちづくりに取りくんできました。今では、函館の1病院1診療所のほかに、江差町、八雲町にそれぞれ無床診療所をもち、2016年11月現在、職員約290人、友の会会員約33000人(人口の6.6%)になりました。

 函館稜北病院は、開設から35年たった2016年に大規模の改築を行いました。病院を新しくした一番の理由は、患者さんの入院環境、病棟をよくするためです。全館冷暖房で広い病室、廊下は、超高齢化社会を迎えるにあたって、高齢、車いすのかたでも安心して入院できるためには、どうしても改善しておきたかった点です。

 地域包括ケア時代を迎えて、高齢になっても地域で安心して住み続けられるよう、私たちも力をつくしたいと思います。外来、入院、在宅と切れ目ない医療・介護が行われるよう、医療介護をになう地域の方々と手をつなぐこと、その中で、私たちは患者さんに寄りそった医療を提供し、リハビリテーションや在宅医療などに力を入れていきます。

 「地域の中で、住民、患者さんのすぐそばにいる」ことが、開設以来40年以上つづけてきた道南勤医協の医療です。これからもその立場を堅持して、この地で活動していきたいと思います。

本部事務局 理事長 佐々木 悟

このページの先頭へ